Pokeal Player開発中

人間にとっての音楽距離

左の画面で、好きなジャケットをドラッグしてダブルクリック、出てきたホイールをターンテーブルにのせて再生させると、音楽がかかります。精度は甘いですが、スクラッチもできます。(注1:ご利用にはFlash Playerが必要です。 注2:青い点滅ゾーンがかわらない場合、ロードに失敗しています。別のディスクを試してみてください。)
lemurに続いてiPhoneの登場で、いよいよマルチタッチディスプレイが流行?という兆しを感じた。そして3年ぐらいこっそり開発を続けている、このPokeal PlayerがiPhoneで動けば楽しいだろうなぁ、と真っ先に想像。ということで今回は開発途中のPokeal Playerの紹介。もう少し先の未来、もう少し大きめのマルチタッチディスプレイに表示されるPokeal Playerをクラブで当たり前に使っていてほしい、なんていう想像も開発意欲の源。

*2008年1月現在、サーバの不具合によりデータが消失しましたので、ご利用になることができません。いましばらくお待ちください。

 

データとコンテンツのジレンマ

パソコンのおかげで音楽を聴くのが簡単になった。 蛇口をひねれば水が出るように、 音楽はいつでもそこから溢れ出す。 かつてレコードやカセットテープ、 CDなどに仮の形をゆだねていた音楽のデータは、 ハードディスクの渦の中へと簡略化され、 目の前から消えてしまった。 しかしながら、 ほとんど見えなくなったそのデータは、 人間にとって見えなければ使いものにならない。 そこで人間はデータに仮の姿を与えることにした。 まるでそこに存在するかのように、 アイコンという形を。

このインターフェイス実装のおかげで、 そのファイルが画像なのか、 音楽なのか、 映像なのかという判断が瞬時にできるようになった。 しかし大量にある音楽ファイルの中から任意の一曲を探す場合はどうするのか?全てが同じ音楽ファイルである以上、 アイコンの形は全て同じだ。 そこからはテキストで検索し判断することになる。

ここで見落としてはならないのは、 テキストベースの検索方法になっているという事実だ。 はじめてパソコンで文字を入力するとき、 キーの中からその文字が見つからなくてイライラしたものだった。 ただ、 慣れてしまえばテレビのリモコンと同じ感覚で使える。 それはキーボードのキーと文字は1対1の関係で、 「n」を入力したいと思ったときに、 「n」のキーはいつもそこにあるからだ。 そこでの検索はほぼユニークなものであるといってもいい。 しかし同じように「あ、 あの音楽がいま聴きたい!」と思ったとき、 言葉からそれを探す作業は、 それとは少し要領が違う。 音楽それぞれがとてもユニークなものであるにもかかわらず、 表面上はテキストの違いだけという矛盾。 そしてそれが存在する場所もまた安定していない。

もっと分かりやすく説明してみる。 部屋に買い集めたCD1000枚がある。 その中から任意の一枚を探すのは大変だ。 大変だが、 だいたいの位置は把握できるように自分なりに整理していたりする。 このへんかなぁ~とか考えながら、 CDの背中を見て探す。 これだったかな?とジャケットの絵を見て目星をつけていく。 ここでの検索作業では、 アーティスト名、 アルバム名のほかに、 ジャケットの絵や色、 質感、 だいたいの場所など、 意外と多くの要素をもとに探している。 でもその1000枚が全部CDRだったら?同じジャケット、 同じ色、 同じ質感。 検索困難なのは簡単に想像できるだろう。 パソコンの上での検索とは、 これに似た検索なんだと思う。

こんなことを書いて、 検索がそんなに重要かといわれると、 そういうわけではない。 問題なのは、 音楽というとてもユニークなものが、 すべて同じ大きさ、 質感、 色でそこに存在しているように見えることだ。 水道水のように、 音楽が蛇口をひねれば簡単に溢れ出す時代になったのは便利だが、 水のようにすべてが同化してしまい、 価値が下がってしまってはいないだろうか。 それでもコンビニで水を買う人がいるのは、 水にはそれだけの価値があると思っている人々がいるからだ、 とも言えるし、 水道水というかつては一流ブランドだったものが、 ごく当たり前なものへと遷移したからだ、 とも言える。

こんな考えから、 Pokeal Playerを作っている。 ただ、 「それでもやっぱり触りたい」でも少し言及しているが、 音楽は決して触ることのできないもの。 それでもできるだけ近くで実感したい。 しかしテクノロジーは、 進歩すればするほどその距離を離していってしまう。 遠くなった分だけ近づけたいが、 そう思えば思うほど離れていく。 そんなジレンマを抱えつつ、 Pokeal Playerの開発を続けるのは、 果たして意味があるのだろうかと悩む。 ただ願うのは、 偶然であれ必然であれ、 新しい何かが生まれて欲しい。

 
 
 

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